【早期解決】鮮度がいちばん!無視すると危険

グランシエル法律事務所

あいりす大阪法律事務所

  • コラム

常識的に利用していれば、トラブルになることは少ないと思われますが、思わず発生するのが揉め事です。もし、それを無視して放置するとどんなリスクがあるのでしょうか?今回は、トラブルの早期解決へのポイントを解説します。

1. トラブルになる主なNG行為

デリヘルなどの風俗サービスにおいて、よく相談にのぼるトラブルの原因となる行為があります。主なNG行為を確認しましょう。

1-1本番行為をしてしまった

よく耳にするのが「本番」という言葉ですが、これは性行為を意味する隠語です。デリヘルなどで本番を行うことは、店の利用規約で禁止されているところがほとんどです。なぜなら、金銭などのやり取りを伴う性行為=「売春」となり、売春禁止法に違反してしまうからです。

法律第百十八号 売春防止法

第二条 この法律で「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。

(売春の禁止)

第三条 何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。

店側も法律違反をするリスクを避けるため、女性キャストへも本番行為を禁止する教育をしています。しかし、お金欲しさで女性キャストから本番を誘ってくるケースもあります。そんな場合は、断る方がリスクを避けるためには正解ですが、もし本番をしてしまうと、それが店側にバレた時に揉め事に発展してしまうでしょう。また、悪質な場合、女性キャストと店がグルになって「無理矢理本番された!」「警察に通報されたくなければ金を払え」などと脅迫してくることもある様です。

1-2女性キャストが18歳未満の未成年だった

通常の店では18歳未満の未成年を雇っていることはありません。もし、未成年を風俗業務に従事させると法律に違反するからです。

風営法

(禁止行為等)

第 22 条 三  営業所で、18歳未満の者に客の接待をさせること。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律法律第五十二号(平一一・五・二六)

二 児童に対する性交等の周旋をした者

しかし悪質な店では、未成年と認識しながら客にサービスさせたりしている場合もあるので油断はできません。もし、女性キャストが18歳未満であると知った上でサービスを利用してしまうと、47都道府県の青少年保護育成条例違反や、児童買春・児童ポルノ禁止法違反となる可能性があります。お店が摘発された場合や女性キャストが警察に補導されるなどして、利用履歴がわかれば逮捕に至る場合があります。

1-3盗撮をした

スマホなどの小型カメラの性能が良くなったため、近年増加傾向なのが盗撮です。盗撮増加を防ぐため各自治体の迷惑防止条例改正などが行われています。お店側も盗撮に対して警戒をしているため、不自然な利用者の挙動について女性キャストに教育しているところが多く、盗撮がバレるケースが多発しています。その際に女性キャストと店側から慰謝料などと称して高額な金額を請求されるトラブルになることがあります。

1-4女性キャストに怪我をさせた

サービスを受けている最中に女性キャストに誤って怪我をさせてしまった場合、女性キャストが店に報告をします。その際に、金銭トラブルになることがあります。また、法律上でも過失傷害に当たります。

(過失傷害)第二百九条 過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。

過失とは、わざとではなく誤って起こってしまった場合のことです。サービス中に女性キャストへの配慮が欠けてしまい、意図せずに怪我をさせてしまったときに成立します。わざとでなくても、女性キャストの怪我の状態や場所によっては、勤務ができなくなるため、その間の慰謝料を請求される事があります。

2. トラブルを放置しない

女性キャストや店側と揉め事になった場合、逃げたい気持ちがわいてしまうと思います。しかし、それを放置して無視しているとどんなことが起こり得るでしょうか?

2-1警察に通報・逮捕される

もし、あなた側に過失がある場合、女性キャストや店が警察に通報してしまう可能性があります。被害届を提出されたり起訴されれば最悪逮捕に至る事もあります。捜査は、あなたの知らない間に進んでいます。ある日突然警察に逮捕された…という事もあり得るでしょう。

2-2執拗に連絡が来る

請求された金銭の支払いを無視し続けると、昼夜問わず頻繁に連絡が来たり、自宅に押しかけてきたりされることがあります。また、職場に連絡が入るなどすれば社会的信用問題になるでしょう。そうなると、あなたの精神的・肉体的負担が大きくなります。

2-3脅迫・恐喝される

悪質な店では、脅迫や恐喝に及ぶ事もあり大変危険です。また、実際に暴行されるなども考えられますので、緊急性の高い場合は、すぐに警察に通報する必要があります。

3. 携帯番号から個人情報がバレる

サービスを利用する際に、携帯番号を聞かれることが殆どだと思われます。それは、女性キャストがちゃんと到着できたか等知るために聞かれます。それは、宅配サービスが連絡先を聞いてくるのと同じ意味合いですが、トラブルに発展した場合、携帯番号しか知らせていないのに、なぜか本名・住所・生年月日などの個人情報が知られる可能性があります。

【携帯番号から知られてしまう可能性のある個人情報】

・本名

・住所

・自宅の電話番号

・生年月日

上記4つの個人情報は探偵や興信所などで比較的安価に調べることが可能です。この4つの個人情報が判明すると、ありとあらゆる個人情報が知られてしまいます。

・銀行口座とその残高

・借金の有無

・車のナンバー

・所有する不動産

・学歴

・職歴

・婚姻歴

・家族構成

・通院情報

など

4. 脅迫・恐喝のターゲットにならないために

トラブルを放置し、逃げている間にあらゆる個人情報が握られる可能性があることは先に述べた通りです。「携帯番号しか知られていないから大丈夫」と、たかを括っていると大変危険です。脅迫・恐喝まがいの行動に出たり、実際に暴行・嫌がらせをするなどの可能性があります。そのターゲットにならないために、トラブルに発展した場合は、放置せずに、すみやかに弁護士に相談するのが解決の重要なポイントです。もし、あなたになんの過失もないのに、言いがかりをつけてきた場合は、逆に女性キャストや店側を訴える事ができます。

5. 無視せず示談で早期解決を

女性キャストや店側とトラブルになった際は、無視せずに弁護士を代理人にたてて示談交渉を進めましょう。弁護士を代理人にたてた場合のメリットは以下の通りです。

5-1女性キャストや店側との連絡を全て弁護士が対応してくれる

弁護士を代理人に立てたその時点から一切の連絡をあなたにしないよう求めることができます。ですので、精神的・肉体的負担を軽くすることができます。

5-2執拗な連絡を受けなくて済む

「早く金を払え」などの電話や押しかけに怯えることがなくなります。弁護士が代理人として交渉することによって、店側の行為が脅迫・恐喝に該当する犯罪行為だと指摘できます。

5-3不当な請求を拒否できる

罰金や違約金と称した請求が妥当なものか判断し、法的に支払義務がない場合は、請求を拒否することが可能です。

5-4適正な示談を締結できる

トラブルの内容や状況を判断して、適正な内容で、法的に有効な示談書を作成できます。もし、先に店側から脅迫されて示談書にサインをしてしまっていた場合でも、脅迫によってなされた合意のない示談書の無効を主張します。

5-5トラブルの再燃を防止する

後々トラブルが再燃されることを防ぐため、示談書の内容に「この示談書に書かれているもの以外の債権債務はない」と清算条項を記載します。示談書に記載した内容以外の金銭請求をできなくさせます。そして、店側にあなたの個人情報を破棄させることを示談書の内容に盛り込むこともできます。

5-6刑事事件になるのを防げる

女性キャストが、被害届や告訴状を警察に提出すると刑事事件になる可能性があります。しかし、その前に「警察に被害届や告訴状を出さないこと」を示談書に盛り込む事ができれば、刑事事件になることを防げる可能性が高くなります。万が一、女性キャストが示談締結後に被害届や告訴状を提出して刑事事件になってしまった場合でも、一度示談が成立していれば、逮捕や起訴を免れる可能性が出てきます。

5-7 家族や職場に知られないで済む

弁護士は、女性キャストや店側に、今後あなたやその家族・職場に連絡をしないように求めます。もし、これに反して「罰金を払わなければ家族にばらす」などと脅迫してきた場合、脅迫・恐喝などの犯罪行為として、刑事告訴する可能性があることを通知できます。ですので、弁護士が交渉することによって、家族や職場に知られずに解決できる可能性が高くなります。

6. まとめ

もし、トラブルに巻き込まれたら無視せず適正に対応することが解決の第一歩です。そのためには、弁護士の法的知識と経験が必要になるでしょう。風俗トラブルに強い同所の弁護士にご相談ください。経験豊富な弁護士があなたをサポートします。

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