【コラム】身分証は提示したらダメ

グランシエル法律事務所

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  • コラム

1.身分証提示のリスク

 風俗トラブルが生じたとき、大抵の場合、お店側から身分証を提示するよう言われ、その写しを取られたり、携帯で写真を撮られたりします。なぜこのようなことをするかというと、氏名・住所をきちんと押さえておくことで心理的プレッシャーを強め、お店側の要求を実現しやすくすることが主な狙いだと考えられます。

 しかし、住所を知られてしまうと、お店側の請求や連絡を突っぱねている場合には自宅まで来られてしまうリスクが生じます。また、一度個人情報を渡してしまうと、後からそれを破棄させることは著しく困難です。

2.実際のケースでは

 大阪市在住の30代会社員のAさんは、大阪市天王寺にあるデリヘルを利用した際、女性キャストの同意のもと本番行為を行い、その後シャワーを浴びていたときに、突然お店の男性スタッフが現れ、そのままお店に連れて行かれ、身分証の写しを取られた上、違約金として100万円支払う旨書かれた示談書にサインしてしまいました。

 不安になったAさんは弊所のもとにご相談に来られ、弊所にご依頼されました。そして、即日お店側に連絡を行い、示談書が法的に無効であることなどを主張するとともに、身分証の写しを引き渡すよう求めた結果、お店側はこれ以上請求しないことと身分証の写しを引き渡すことを約束し、後日、身分証の写しも受け取りました。

 この件では無事にお店側が任意の返還に応じてくれたものの、たとえ弁護士から返還するよう請求しても返還に応じてくれないケースも多くあります。また、返還に応じてくれたものの、情報を控えられている可能性は否定できません。最悪の場合、個人情報を悪用されるケースもあります。そもそも、身分証を提示する義務はありません。

 したがって、お店側から身分証の提示を求められても絶対に提示してはいけません。身分証を提示してしまいご不安な方は、弁護士にご相談してみてください。

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