風俗嬢を妊娠させた人がするべきことと最適な相談先
- コラム
風俗を利用した際に、本番行為によりトラブルに発展しているケースがあります。
その本番行為により、「妊娠した」と伝えられたら、どうすればいいでしょうか。
実際に、本番行為を行なっていたのであれば、妊娠している可能性はあります。
そうした場合、不安や後悔を感じる人が多いと思いますが、風俗嬢にとってもお客さんとの子供を出産を希望することは稀だと思いますので、大きなトラブルに発展することがあります。
今回の記事では、風俗店側に「妊娠した」と言われた場合にするべきことや、対処法を解説していきます。
1 妊娠したと言われたら取るべき対処法
⑴相手とのやり取りは記録・保存しておく
自分では解決できなくなり、警察や弁護士に相談するときに、風俗嬢とのメールやLINEでのやり取り、言われた内容は記録しておくと需要な役割を果たします。
やりとりの様子を録音や録画できれば良いですが、できない場合には、メモに残しておきましょう。
場合によっては、風俗店側の情報が事実と異なることもあります。妊娠していなかったり、他のお客さんとも本番行為をしていて、自分との子供ではない可能性もあります。
こういったケースでは、記録保存していた証拠をもとに、風俗嬢・風俗店側の主張に矛盾が生じれば、警察に動いてもらえる証拠となります。
また、風俗店側が慰謝料や中絶費用を請求してくる際に、威圧的や脅迫じみた言動をとっていた場合には、その証拠をもとに恐喝罪や脅迫罪として告訴できる可能性もあります。
⑵相手の言い分を鵜呑みにしない
そもそも妊娠しているか否かを事実確認する必要があります。もし、妊娠が事実であったとしても、自分が父親かどうかもわからない状況もあります。
これらを利用して、中絶費用や慰謝料を取ろうとする悪質なパターンもありますので、事実確認ができるまで信用しないでください。
⑶事実確認ができるまで金銭を支払わない
風俗嬢や風俗店から中絶費用・慰謝料の支払いを求められても、妊娠したことの事実確認ができるまで支払う必要はないです。
一度請求された金銭を払ってしまい、実際には妊娠していないことが後からわかっても取り返すのが大変です。
また、支払ってしまうと早急に事態を解決させたいと思っていると感じさせ、出勤できなくなる分の休業補償や中絶で子供を産みにくい体になったと慰謝料等、次々にお金を請求してくることもあります。
妊娠の事実確認を行うためには、産婦人科で医師が検査をして、妊娠している場合に発行される妊娠証明書を提示してもらうようにしましょう。
また、自分が風俗嬢と本番行為を行った時期と合っているかどうかも確認しましょう。
⑷無視しない
妊娠22週目になると中絶ができなくなります。断ったり、連絡を無視し続けたために、最悪の場合、風俗嬢が出産せざるを得なくなります。
また、脅されたり、家族や勤務先への別のトラブルに発展する可能性も出てきます。
もし、風俗嬢がそのまま出産し、自分が父親であることが明らかになれば、養育費の支払い義務が生じます。
妊娠した子供が自分の子である確証が出れば、早急に解決に向けた姿勢をとり、誠意を持った対応をするべきです。
まだ、妊娠の確証が取れていない状況で中絶費用等は支払う必要はありませんが、トラブルが長引かないように無視はしないようにしましょう。
⑸弁護士に相談する
妊娠したと伝えられた時は、可能な限り迅速に風俗店側との交渉について第三者に介入してもらうべきです。
妊娠が事実であれば、今後の対応について交渉する必要があります。
冷静に適切な判断ができない状態で、自身だけで交渉すると、妊娠が嘘だった場合に騙されたり、法外な金銭の請求を支払ってしまったりということがあります。
できるだけ迅速に穏便にトラブルを解決するためには、弁護士に相談することがおすすめです。
弁護士に相談したことにより、妊娠したことが嘘だということがわかれば、詐欺や恐喝で刑事告訴できる可能性もあります。
2 風俗嬢を妊娠させたときに起こりうるトラブル
風俗嬢や風俗店から妊娠したと伝えられると、それだけでは終わらず、そこから何らかのトラブルに発展することが考えられます。
次に説明するようなトラブルに巻き込まれてしまうかも知れません。
⑴慰謝料や損害賠償金を要求される
風俗店側から中絶費用や損害賠償、慰謝料の支払いを要求させることになるかと思います。
風俗嬢の妊娠が事実であり、自信が父親であるということが明らかになれば、一定の慰謝料の支払い義務が生じるのはやむを得ません。
本番行為については合意を得ていたとしても、それが原因で風俗嬢は身体的、精神的に負担を負うことになるため、男性が民事上の損害賠償責任を負うことはやむを得ないです。
妊娠が事実でないならば、損害賠償などを支払う必要はありません。
慰謝料額は数百万円に及ぶ可能性もあり、提示された金額が適切なのかどうかは弁護士に相談するべきです。
本番行為をするということはそれだけリスクがあるということを覚えておいてください。
⑵罰金を要求される
風俗店の説明やホームページには、基本的に本番行為を禁止とする文言が書かれています。
そこには、違反した場合の具体的な処罰が書かれているケースもあります。
しかし、罰金というのは法律上の刑事罰の一種であり、単なる風俗店がお客さんに対して罰金を課すことはできないため、支払う必要はありません。
風俗店の張り紙やホームページで「本番行為した場合に罰金をいただきます」のような文言は、お客さんに対して、本番行為をしないように抑止するための意味合いものです。
しかし、実際に本番行為がお店側の知られてしまうと、注意書きをもとに脅迫じみた言葉で高額な罰金を請求してくるケースがあります。
本番行為の強要により女性スタッフが男性に恐怖心を感じてお店を辞めてしまったり、精神的ストレスを負い休んでしまうと、お店側には損害は生じます。
売り上げ減少にもつながり、女性スタッフを採用する際に広告費等のコストもかかっています。
このような意味では、お店側が本番行為を強要されたことを理由として罰金を請求してくることも一理あります。
しかし、女性スタッフが休んだり、お店を辞めてもいない場合には金銭を要求することは、不当な請求だと言えます。
また、違反行為をした男性の負い目や逮捕されたり、家族にバレるかもしれないという不安な気持ちを利用して、金銭を要求してくる場合もあります。
お店側の脅迫に負けて、一度要求をのんでしまえば、何度も金銭を要求されかねませんので、支払う必要はありません。
⑶女性スタッフの休業補償を請求される
本番強要による精神的ショックや中絶手術を受けたことによる回復するまでの期間の休業補償をお店から請求されることもあります。
自分が父親であれば、休業補償は損害として、支払い義務を負うこともやむを得ないと言えますが、法外な金額を要求してくることもあります。
⑷家族や勤務先にバラすと脅される
風俗店側から家族や勤務先にこの問題をバラすと脅されるケースもあります。
しかし、単に金銭を捲り上げるための脅しの切り札でしかありませんので、バラすことに対してはメリットがありません。
これを理解した上で無視はせずに冷静に対応するのがいいでしょう。
⑸警察に通報するぞと脅される
①脅される
確かに、暴力を振るったり脅迫して強引に本番行為を行ったのであれば、強制性交等罪として警察に逮捕される可能性はあります。
しかし、流れやお互いの同意のもとで本番行為をしたのであれば、強制性交等罪には該当しないので逮捕されることはありません。
通報するであったり、被害届を出すというのはお店側の切り札であるため、その脅しに屈して要求を呑まないようにするべきです。
警察に逮捕されると想像すると不安な気持ちから正常に判断ができなくなり、恐怖心からお店側の要求を受け入れてしまう人が多くいるのです。
②逮捕されるのか
そこで、実際に風俗店での本番行為は逮捕されるのか。
売春防止法第2条、第3条では、お金や物をもらったり、貰う約束をして、不特定の人と性交を禁止しています。
したがって、女性スタッフと本番行為をすれば売春防止法違反となり、犯罪行為ということになります。
しかし、売春防止法には罰則規定がないため、違法な犯罪ではあるが、警察に逮捕されることはないということになります。
これには、「売春せざるを得ないような状況の人は保護しなければならない」という考えがあるからです。
この法律は日本がまだ豊かではない1956年にできたもので、生きていくために仕方なく体を売る女性を保護するために、罰するのは酷であるという考えがありました。
また、密室内で本番行為があったことを立証するのが困難である事も理由とされています。
女性に売春をあっせんしたり、売春を業とすることは犯罪として逮捕されます。
ただ、本番行為について女性スタッフの同意がなかった場合は、強制性交等罪で犯罪として警察に逮捕される可能性も高くなります。
(強制性交等)
第百七十七条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
刑法第177条は強姦罪という名称でしたが、平成29年の改正で強制性交等罪に変更になりました。
強制性交等罪が成立するかどうかは、暴行や脅迫の程度によります。
この暴行や脅迫の程度は、最高裁判例で「相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるもの」とされています。
つまり、女性スタッフが抵抗できないくらい、もしくは抵抗するのが非常に難しい程度の暴力や脅迫によって、本番行為を行うと、強制性交等罪が成立するということです。
このような脅迫や暴行の上で、挿入まで至らなかった場合には、未遂罪が成立します。そして、その暴行で女性スタッフが怪我をしたら、刑法第181条2項の強姦致傷罪が成立します。
例えば、「サービスの最中に意図せず滑って挿入してしまった」「本番行為をしたいと依頼したところ無視or断られたが、我慢できずに暴行などは一切せずに挿入してしまった」というパターンもよくありますが、強制性交等罪が成立する条件である脅迫や暴行を満たしていないということになりますので、逮捕されることはありません。
しかし、女性スタッフとの合意のもと本番行為に及んだにも関わらず、サービス後に強引に本番行為を強要されたと主張が変わったり、本番行為をしていないのに、挿入されたとお店に報告されたりというケースもあります。
このようなケースでは、冤罪になりかねないですので、本番行為は絶対にしないようにして、女性スタッフが嘘を警察に訴えるような場合には弁護士に相談した方が安心できます。
3 弁護士へ相談するメリット
風俗嬢の妊娠トラブルについて、弁護士に相談した場合、下記のようなメリットがあります。
⑴適正な示談を結べる
トラブルが起きた際に、裁判によらずに、当事者が話し合って解決する方法があります。一般的に、こうして当事者による合意で問題を解決することを「示談」と呼びます。
自分自身で示談を交渉すれば、トラブルなく解決できるのではないかとお考えの人もいると思いますが、示談内容・示談金額について効果的な示談を結ばなければ、再び金銭を請求されるなど不利な立場になることもあります。
しかし、風俗トラブルを弁護士に依頼することによって、弁護士が当事者に代わって、女性スタッフやお店と示談交渉をしてくれます。
そして、弁護士が示談交渉することによってトラブルの事案や状況によって妥当な示談金額を交渉して、適切な内容で法的に効力のある示談書を作成することができます。
もし、既にお店側が用意した示談書などの書類にサインしてしまっている場合には、事実確認を行い、改めて示談金の減額や今後のトラブルを防止するために交渉します。
お店との話し合いを重ねて相手の同意のもと示談書を締結するため、再要求される事も防止します。
⑵不当な請求を拒否できる
弁護士に依頼すると、風俗トラブルでお店側が金銭などを要求してきた際に、その請求が妥当なものか判断して、場合によっては請求を拒否することができます。
風俗トラブルの当事者はお店ではなく被害者である女性スタッフであり、お店の請求自体が法的には根拠のないケースが多いです。
また、当事者である女性スタッフからの請求があっても、法外な適切ではない慰謝料などを請求された場合には妥当な金額になるように減額を交渉します。
⑶今後のトラブルを防ぐことができる
風俗嬢との妊娠のトラブルでは、本番行為を行なったことに対する罰金を支払うように良級されることもあります。
警察に被害届を出すと脅されることもあると思います。
弁護士に依頼することによって、このような要求にも、法的に冷静に対応してくれます。
4 まとめ
風俗店にて、風俗嬢を妊娠させてしまった場合、トラブルの性質上なかなか誰かに相談できるものではありません。
しかし、ご自身だけで対応しようとすると不当な条件のまま、妊娠が事実であるかどうかもわからずに、金銭を支払ってしまう可能性があります。
風俗嬢の妊娠が事実と明らかになれば、一定の慰謝料の支払いはやむを得ません。
しかし、その適切な金額はご自身で判断が難しいかと思いますので、風俗トラブルに強い弁護士にご相談ください。
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