トラブルを示談で解決する~HOW TO~
- コラム
デリヘルなどの風俗店を利用したときに、女性キャストや風俗店とトラブルになる原因として
「本番をしてしまった」「盗撮をしてしまった」「過剰なサービスを要求してしまった」などが
多くあげられます。もし、サービスをうけたときにトラブルに巻き込まれた場合、どのように
解決すればいいのでしょうか?今回は、風俗トラブルを示談で解決する方法について解説します。
1 示談とは
「和解」とは、双方のトラブルを、互いに譲歩し、争いをやめましょうという契約(民法第 695 条)です。お客が金銭を支払う代わり、女性キャストが警察へ被害届を出さなと約束するようなケースです。一般的に、こうして当事者による合意で問題を解決することを「示談」と呼びます。
示談は一度締結すると、原則として、後から内容を変更することができないという「示談の確定効」と言う決まりがあります。
ですので、後から慰謝料や損害賠償の請求をされないということです。
2 よくあるトラブルについて
トラブルについて、よく相談を受ける代表的なトラブルの4つについて解説します。
2-1女性キャストに本番行為を要求または強要した
いわゆる「本番」行為を女性キャストに強要した場合、刑法第 177 条の強制性交等罪が成立する可能性があります。強制性交等罪等に抵触し、刑事事件に発展すると最悪逮捕されてしまいます。
強制性交罪の罰則は、未遂の場合でも 5 年以上の有期懲役となります。また、女性キャストと合意の上で本番行為に及んだとしても、後から「本番行為を強要された」と主張されてしまえば
不利な立場となります。
2-2 サービス中の様子を盗撮・盗聴した
風俗店で盗撮行為をしてしまった場合は、軽犯罪法違反、さらに都道府県によっては迷惑防止条例違反になる可能性があります。
軽犯罪法第 1 条 23 号では、「人が通常衣服をつけないでいるような場所を密かに覗き見」した行為に該当するとされており、
軽犯罪法違反による刑罰は、1 日以上 30 日未満の期間拘留されるか、1000 円以上 1 万円未満の科料が科されます。迷惑防止条例違反では、各都道府県によって差がありますが、大阪での迷惑防止条例違反の場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が課されることになっています。また、記録した画像を SNS に投稿した場合にはさらに「わいせつ電磁的記録陳列罪」などに問われ、女性キャストへの名誉毀損へ発展してしまうと、さらに問題が深刻になります。
2-3 女性キャストが 18 歳未満だった
女性キャストが 18 歳未満であると知った上でサービスを利用してしまうと、各都道府県の青少年保護育成条例違反や、児童買春・児童ポルノ禁止法違反となる可能性があります。
児童買罪では、5 年以下の懲役または、300 万円以下の罰金となり、また、大阪府において青少年健全育成条例【条例第 39 条】違反でさらに 2 年以下の懲役又は 100 万円以下の罰金が課せられることになります。しかし、このトラブルは女性が 18 歳未満であると知っていた場合に限ります。風俗店やデリヘル店で、18 歳未満の青少年が働くことは禁止されているので、そうした未成年が女性キャストであることはあまりありません。しかしながら、悪質な店では 18 歳未満だと知りながら事実を隠して雇っている場合もあるので注意が必要です。
2-4 女性キャストに怪我をさせた
サービスを受けている最中に女性キャストに誤って怪我をさせてしまった場合に当たるのが過失傷害です。(過失傷害)第二百九条 過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。過失とは、わざとではなく誤って起こってしまった場合のことです。
サービス中に女性キャストへ配慮が欠けてしまい、意図せずに怪我をさせてしまったときに成立します。
3 トラブルの弁護士による示談のメリット
3-1お店側とのやりとりを任せられる
お店とトラブルを起こしてしまうと、何度もしつこく連絡がくる・自宅に押しかけてこられた…など起こり得ます。そうなると私生活への悪影響も及ぼし、肉体的にも精神的にも大きな負担となります。このようなやりとりも弁護士へ依頼すれば、直接自分自身でする必要がなくなり、お店側とのやりとりを全て弁護士に任せることができます。
3-2 不備のない適正な示談を結べる
弁護士が示談交渉することによって事案や状況によって妥当な示談金額を交渉して、不備のない適切な内容で法的に有効な示談書を
作成することができます。お店との同意のもと示談書を締結するため、トラブルを蒸し返されることのない適切な解決をすることができます。
3-3 不当な請求を拒否できる
弁護士に依頼すると、お店側が金銭などを要求してきた際に、その請求が妥当なものか判断して、場合によっては請求を拒否することができます。事件の当事者はお店ではなく被害者である女性キャストであり、お店の請求自体が法的には根拠のないケースが多いです。
また、当事者である女性スタッフからの請求があっても、法外な適切ではない慰謝料などを請求された場合には妥当な金額になるように減額を交渉します。弁護士が入れば、不当な主張を拒否し、相場通りの示談をすることができます。
3-4 刑事事件化になるのを防げる
弁護士が依頼人に代わってお店や女性キャストなどと示談交渉を進めることで、刑事事件化への発展を防止できる可能性が高まります。本番行為の強要や盗撮等の風俗トラブルは女性キャストが被害届を出せば犯罪として刑事事件となる危険性がありますが示談交渉を弁護士に依頼し、内容に刑事事件化しないと言う項目を含めた、適切な示談を成立させることで解決させることができます。もしお店や従業員が被害届や告訴状を提出して刑事事件になった場合でも、示談が成立していれば、逮捕や起訴または懲役を免れる可能性が高くなります。
3-5 家族や勤務先にバレずに解決できる
早い段階で弁護士に依頼すれば、弁護士が代理人になっているので、依頼人宛の店や女性キャストからの連絡は全て弁護士に入りますから、誰かにバレてしまうのでは…といった心配はなくなります。もし本人が自分で解決しようとすると、お店や女性キャストから執拗な連絡や自宅・職場へ実際に来る可能性があるので、家族や職場にバレてしまう危険性があります。
3-6 個人情報の流出が防げる
事件を示談交渉する際に、弁護士が代理人として締結する示談書には、お店側が得た個人情報の破棄を要求した上で、悪用や流出を禁止する内容を盛り込みます。お店を利用した段階で、名前や電話番号などの個人情報がお店側に渡っている場合でも、これらの返却やコピーを破棄させるようにするため、個人情報の流出を防止できます。この契約に違反して、お店側が個人情報を流出すれば、名誉毀損などで弁護士が訴えることができます。
4 トラブルの示談の流れと内容
4-1 示談交渉
まず弁護士のから風俗店に連絡をし、風俗店と女性キャストに対し示談交渉を行います。
そして対し、示談金額等の同意がまとまった場合には、法的に有効な示談書を作成し、示談金を支払うことになります。
もし示談交渉の前に本人が風俗店の脅迫などによって念書などを書いてしまったという場合は、その念書などは強制されてサインした無効なものとし、適切な内容で示談を締結しなおします。
4-2 示談書の作成
示談書とは、示談の内容を記載し、必須条項を明記した法的に有効な書面のことです。
4-3 示談書成立
示談書の内容を確認し、納得できる内容なのであれば双方ともにサイン・押印をします。
風俗店に本名や住所を知られたくない場合、弁護士に代理人として署名押印をしてもらえば、本名や住所を店側に知られずにすむことがあります。また逆の場合 ( 女性キャストが本名や住所を教えたくない ) も、依頼人には個人情報を見えない状態にした示談書を渡すという方法が取られることもあります。
5 風俗店との示談する時の注意点
5-1 自分で解決しようとしない
慌てて自分で交渉しようとした・弁護士に相談するのが恥ずかしいなど理由は様々ですが、自分だけでトラブルを解決しようとするのは危険です。法的に有効でない示談書を作成しても、風俗店や女性キャストとの関係の清算ができないものである可能性があります。
後から、会社にバラされた・さらにお金の請求された・警察に通報されたなどの可能性が高く、それでは意味がありません。また、交渉に際しての肉体的・精神的苦痛から日常生活を乱され、個人情報の流出などで社会的信用を落とすことになれば大変です。風俗トラブルになったら、早期解決のために速やかに弁護士に相談しましょう。
5-2 風俗店から強要された内容で示談書を作らない
店側から強要されるままに店側に有利な示談書にサインしたり、誓約書等を作成したりすることは、絶対に避けましょう。わざと不当な条件が盛り込まれていたり、意図的に示談書としては不備な点があるなど、後々のトラブルを引き起こす大変なリスクを伴うからです。また、示談が成立した場合、後になってその内容を変更したり、取り消したりすることは、原則としてできないので注意が必要です。
5-3 示談の相手を確認する
風俗トラブルでは、女性キャストではなく、風俗店が示談交渉を行う場合が多いですが、示談書を交わす相手の確認を怠らない様にしましょう。なぜなら、被害者である女性キャストとの示談でなければ、後から、女性キャストが被害届を警察に提出してしまうリスクがあるからです。
5-4 隠さずありのままを弁護士に相談する
依頼人は、センシティブな内容を恥ずかしく思ったりして、事実をぼやかしたり偽って相談することがありますが、交渉を行っていく上で後から事実と違うことが発覚すると、不利になることがあります。ですので、事実をありのまま弁護士に相談してください。弁護士には守秘義務がありますので、情報が流出することは一切ありませんのでご安心ください。
5-5 示談書は保管
風俗トラブルの示談書は必ず作成して保管しましょう。後で言った言わないの争いで揉めないようにするため、示談の内容は必ず「示談書」として弁護士の作成した法的に有効な書面の形で残しましょう。
6 まとめ
以上、風俗トラブルの示談などについて解説してきました。以下の3点を大事なこととしてまとめました。
○風俗トラブルを早期に解決するためには、速やかに弁護士に依頼して、女性キャスト・店側との示談を成立させる。
○弁護士に依頼するメリットは、刑事事件化するのを防げることと、法的に有効な示談書を作成することによって、再度恐喝されるなどを防げることがあげられます。
○弁護士が示談交渉することによって、トラブルの内容・状況に妥当な示談金額で、適正な内容・法的に有効な示談書を作成できます。
風俗店を利用する際には、トラブル対処法も知った上でサービスを受けるのが良いでしょう。
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